Dr. Waterman's Desk

An old desk of an American theologian ("日本語" speaker) / Check out another blog please "Comments by Dr Marks"

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American citizen but a foreign native born in southern Germany, raised in northern Japan. He holds a Ph.D. degree in biblical theology (Center for Advanced Theological Studies, Fuller Theological Seminary). Dr. Waterman mainly lives in Los Angeles, California. He studied various subjects (philosophy, sociology, etc.) and languages in Japan and in America (Hirosaki University, University of Tokyo, Fuller Theological Seminary, and other institutions). Email: markwaterman(at)fuller(dot)edu. Some call him "Dr. Marks".

Friday, October 05, 2007

No One Teaches Students How to Read the Bible at the Mission Schools in Japan


日本のミッションスクールでは、誰も聖書の読み方を学生に教えない

そんなことはない、と恐らく言うだろう。しかし、そうとしか思えないことがあったのだ。

今、実は近頃、私がなかなか面白いと思って興味を抱いている小谷野敦博士の奥様のお名前「柴田葵」を検索していたら、小谷野氏の著作の書評に遭遇した。評者は山形浩生という方で、簡略な書評だが、小谷野氏に好意的なもので、私としても素直に読めた。初めて知った名前なのでどんな方かと思ったら、ケン・スミスの『誰も教えてくれない聖書の読み方』の翻訳者とある。えっ、ひょっとしたらケン・スミスってあの禿げケン(←こんなことを言っちゃいけないのだが)。

念のため調べたら、やはり Ken’s Guide to the Bible(1995)の和訳だ。調べている過程でわかったが、結構ミッションスクール系の大学が購入しているではないか。困ったものだ。日本のミッションスクールでは聖書の読み方を教えてくれないからこんな本を買うわけね。翻訳するに際して、随分と思い切った題に変えたものだ。大成功だね、日本の出版人!

さて、この本だが、いわゆる「おふざけ本」あるいは「絵のない漫画本」であるから、著者のケンに文句もないし、訳された山形氏にも苦情を申し上げているわけではない。問題なのは、こんな本の中身も知らず、あるいは知っていてもこの程度のレベルだからか、大学図書館がことにミッションスクールがこんなゴミのような本を買い上げているという無駄である。(東大駒場にも1冊あるようだ。)

だが、待てよ、アメリカの大学ではどうかな。心配なので、まず神学部図書館。いくつか当たったが、流石にない。しかし、教養図書館ではどうかな。ハーヴァードとUCLAだけ見てみた。やはりない。それもそうだよね。

翻訳してあれば元の本が上等とでも思ったのか、あるいは巧妙な和訳書名に騙されたか、ともかく騙されたほうが悪いのであるし、ケンちゃんにも山形氏にも(そして何とかいう日本の出版社にも)恨みはない。ただただ、こんなゴミ本によってではなく、ミッションスクールくらいはちゃんとした先生が聖書を教えてほしいと願うだけだ。ケンちゃんのような盲人に盲人の手を引かせてどうするの(マタイ伝15:14)。ケンちゃんが書いている内容なら教会で3日も説教聞けばわかることなんだ。

原書を知らない方に少しだけ:この本の出版社はおふざけ本の出版社ですが、ケンちゃん自身はもう少しまともな本も書いているようです。(←この点は彼のために強調します。)そして、この本の下部、著者名のところを見ると、こう書いてあるのです。Ken Smith, B.A. ってね。今どき Ph.D. だって表紙に学位は入れないのに、わざと「ケン・スミス文学士」と書いているわけです。これも冗談なのです。どこの学士号かって? 多分、聞いても、このブログの読者のほぼ全員がわからない大学ですよ。自分で調べてご覧なさい。ニュージャージーのある大学が出てきます。ところで、ケンちゃんと同姓同名はたくさんいます。1958年生まれのケンちゃんです。上記のとおり、一応、大学は出ています。(以上、猫猫流著者紹介でした。)