Dr. Waterman's Desk

An old desk of an American theologian ("日本語" speaker) / Check out another blog please "Comments by Dr Marks"

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American citizen but a foreign native born in southern Germany, raised in northern Japan. He holds a Ph.D. degree in biblical theology (Center for Advanced Theological Studies, Fuller Theological Seminary). Dr. Waterman mainly lives in Los Angeles, California. He studied various subjects (philosophy, sociology, etc.) and languages in Japan and in America (Hirosaki University, University of Tokyo, Fuller Theological Seminary, and other institutions). Email: markwaterman(at)fuller(dot)edu. Some call him "Dr. Marks".

Monday, August 27, 2007

Yiddish and Yamakah or Kippah

YAMAKAH!!


イーディッシュ語とヤマカーすなわちキッパー

今日のは個人的な日記だが、ひょっとしたら読者の役に立つだろうか。ユダヤ人に興味のある人なら本日のキーワードはすべてご存知だろう。そうでなくても、語学に興味があればイーディッシュ語を、宗教に興味があればヤマカーすなわちキッパーを知っているだろう。そのような方は、ここで読むのを止めてくださっていいが、それでも興味があればどうぞ。

今朝、正真正銘のユダヤ人、4/4(four-fourth と読む)すなわち父方の両親(祖父母)も母方の両親もユダヤ人の友人の誕生日だったので、ネヴァダ州のリーノ市(Reno, Nevada)まで電話をした。 本来は細君の友人だが、私も気が合っている。このところカード類を出しても音沙汰がなかったので、一人暮らしの彼の安否が気がかりで、今朝は思い切って電話をしたら、なんだ元気も元気 "kicking だ"(ここでは足で蹴るんじゃなくて、「ピンピンしている」という意味ですが)と叫んでいる。

その会話の中で、たまたま私が「イーディッシュなんか死語だからね」といったら、猛然と「ニューヨークではまだまだたくさんしゃべっている」と言い出した。そして、勝手にスイスのドイツ語の方言だなどといい始めたが、必ずしもそうではないはずだ。ユダヤ人たちが、ドイツ語にヨーロッパ各地の言語やヘブル語やアラム語を結びつけて話していた言葉で、特定のドイツ語の方言ではないだろう。 このWikiの統計は古いとはいえないが、あと十年もしたら激減する気がする。イーディッシュを携えて移民してきた人たちが皆かなりの高齢だからだ。

この友人S氏は、シカゴで生まれシカゴで育ちシカゴ大を出たいわゆるシカゴっ子(Chicagoan)だが、10年生(日本の高校1年生)程度の頭の学生には教える気力がなくなったといって教えるのを辞めてしまった。おいおい、いったいどこで教えたんだ?それはともかく、おばあちゃん子だったらしく、子供のときはこの祖母とイーディッシュで遣り取りし、流暢にしゃべっていたという。しかし、祖母が亡くなると急速に忘れてしまった。ところが不思議なもので、ドイツに行ってドイツ語を聞いているうちにかなりのイーディッシュを思い出したという。

今月初めに亡くなったパリの元大司教 Jean-Marie Lustiger は有名なユダヤ系フランス人だ。彼は親の反対を押し切ってカトリックに改宗したが、 イーディッシュ を流暢に話せた数少ないカトリックの聖職者らしい。 数少ないのはカトリックのユダヤ人だからではない、S氏の祖母のように流暢に話せるのがイーディッシュだけだから話していたのであって、子供のうちから、アメリカなら英語フランスならフランス語で教育を受ければ、何もイーディッシュを話さなくていい。

と思ったら、S氏がまた言う。「アルトラ・オーソドックス(ultraorthodox 超正統派)のユダヤ教徒は若い子がイーディッシュを習っている。」「えっ?ヘブル語じゃないの?」と僕。「正統派はそうだが、超正統派はイーディッシュだ。」と彼。LAにもいるかと聞いたら、いるらしい。LAにある幾つかのユダヤ人街でも典型的なユダヤ人街に住んでいる自分としては確かめたい気がした。電話帳で調べたら、我が家の4キロ四方に30くらいのシナゴーグ(ユダヤ人の礼拝所)がある。さて、どれが超正統派か。だいたい、我々の付き合っているユダヤ人は豚肉食べるような奴ばっかりなので見当が付かん。今年の課題にしておく。

さて、ユダヤ教徒が頭にかぶる小さな円形の帽子だが、普通は男子のものだ。イーッディシュではヤマカーといい、ヘブル語ではキッパーというが、英語の普通の綴りはそれぞれ yamakah と kippah となる。綴りの変種や語源はWiki に詳しい。どちらも大雑把にいえば、丸い帽子という意味にすぎない。冒頭の動画で示したのは女の子たちがふざけてかぶっているが、実際に自由主義的な改革派のユダヤ教徒は女もOKだ。驚くなかれ、同性愛者専用のシナゴーグだってある。

たまたま昨日、教会でかぶり物の話をしたら、プロテスタントの教会なので知っている人は少なかった。呼び名は違うが、Wiki にもあるように、カトリックの聖職者はユダヤ教徒のようにかぶっている。階級によって色が 違い、白は法王だけである。ところが一般的にユダヤ教徒は自由であり、どんな色でもどんな材質でもどんな大きさでもどんなデザインでもかまわない。私はキリスト教徒だが、カトリックへの義理立ても必要ないので、ユダヤ教徒的に自分の気に入った形とデザインのヤマカーをかぶろう。

いつかぶるのかって?あぁ、非ユダヤ教徒でもシナゴーグに入るときとか、何かの儀式(葬式とか)やエルサレムの嘆きの壁に近づくときは礼儀として着けたほうがいいらしい。それに、もう一つある。まだ大丈夫だが、どうも頭のてっぺんが薄くなりだした。薄くなったあかつきにはかぶることにしよう。そういえば、ニューヨークの親戚のビルちゃんがLAに遊びにきたときに、禿げたてっぺんが陽に焼けて真っ赤になって大変だったものね。真っ赤な禿にアロエをぬりたくってかわいそうだった。さぁ、ヤマカー用意しておかなきゃ。