Dr. Waterman's Desk

An old desk of an American theologian ("日本語" speaker) / Check out another blog please "Comments by Dr Marks"

My Photo
Name:
Location: United States

American citizen but a foreign native born in southern Germany, raised in northern Japan. He holds a Ph.D. degree in biblical theology (Center for Advanced Theological Studies, Fuller Theological Seminary). Dr. Waterman mainly lives in Los Angeles, California. He studied various subjects (philosophy, sociology, etc.) and languages in Japan and in America (Hirosaki University, University of Tokyo, Fuller Theological Seminary, and other institutions). Email: markwaterman(at)fuller(dot)edu. Some call him "Dr. Marks".

Thursday, August 16, 2007

A White Paper on the Faculty of Letters, University of Tokyo

ある東京大学文学部白書

ある白書とは小谷野敦のブログ『猫を償うに猫をもってせよ』の8月17日付けの記事「東大文学部白書」のことだ。 私の二つ前の記事「日本の道化と馬鹿さ加減」の続きになるが、馬鹿さ加減がなかなかよろしいので紹介する。なお、私の記事は小谷野氏のブログと違い、自由なコメントを受け付けているので読者の感想も合わせお読みいただければありがたい。

本日、ある友人から、お前のブログは硬派から軟派までいろいろあって、そのギャップが不思議と言われた。そういえば宗教学者の川瀬貴也氏などは硬派のブログ『川瀬のみやこ物語』と軟派のブログ『美徳の不幸』を使い分けている。新約学者の Mark Goodacre 氏も最近になって軟派版 "Mark Goodacre's Personal Blog" を立ち上げて、例えば、質問紙法で自分のフェミニスト度を測ったりする多少の馬鹿をやっている。因みに、彼のフェミニスト度は94%、私もやってみたが86%だった。お陰で、彼も私もフェミニストであるとのお墨付きをいただいたが、二人とも多分男だろうと判断された。つまり、彼も私も回答者として男であることがばれてしまったのである。なぜだって?フェミニスト度100%ではなかったからさ。

今回の内容は軟派に入るが、今のところ私は、硬軟別々のブログを作るつもりはない。硬軟双方、また日英両語取り混ぜて同じブログでゆきたいと思っている。それにしても間もなく一年なので内容を分類した索引ぐらいは作らないといけないのかな、などと思っている。しかし、こんなことに余り時間をとっていると、ときどき自分自身も道化に見えてくる。

閑話休題。話を元に戻そう。しかし、話を元に戻したところで、先に小谷野氏のブログを見ていただければ(←なんとなく宣伝している)大筋がわかる人にはわかるので、私は何も書かずここで終わっていいのだが、少しだけコメントしておこう。実は、「日本の道化と馬鹿さ加減」の中で履歴書(業績目録)の見方があると書いたが、そのことと関連する。

この小谷野氏が8月8日付け「タクシー協会」のところで、東大を出ていないとバカだ、と言っているのは、実はタクシー協会の人や一般の人に向けて言っているのではない。小谷野氏が大阪大学に勤めているときに意地悪したW氏や『rento の日記』という、これまた趣味のよろしくないブログをやっている東大英文科教授の大橋洋一氏(法学者の同姓同名は別人)を揶揄しているのである。どういうことか。この二人は東大の大学院では学んでいるが、東大の学部出身ではない。W氏は千葉大学、大橋氏は東京教育大学である。対するに、小谷野氏は大学大学院ともに東大である。

数年前から、東京大学は卒業式にガウンを着用するようになったのだが、ここで質問。東大生の間で(密かに)一番価値があると思われているのは、博士のガウン、修士のガウン、学士のガウンのうちどれか?正解は学士のガウンである。このことは多少アメリカでも同じで、アイヴィーリーグを出たと威張って言えるのは、大学院のことではなく大学のことである。

今回、小谷野氏の「東大文学部白書」は、直接的には大橋氏を揶揄していると読めば、前回の「タクシー協会」の続編となる。大阪大学でW氏が小谷野氏を苛めている頃、小谷野氏は東大から博士の学位を得ていたのに、W氏は東大からはもらえず、本来の出身大学の千葉大学からなんとかその後もらうことになった。『文学部唯野教授』効果なのか東大の教授にはなったが、大橋氏だけはいまだに博士の学位はない。

それにしても、小谷野氏のブログをクリックした人は、東大文学部の先生たちは意外と博士が少ないのに驚いたのではなかろうか。小谷野氏のこの『白書』によると、選任教員113人中博士の学位所有者は49人であるから43%に過ぎない。理由はいろいろある、昔はあまり博士をくれなかったとか、文学部の専攻によっては取りにくいものがあるとは言うが、余り説得力はない。実際のところ、東大の文学部のレベルは諸外国と比べて余り高いとは思えない。

特に英文学科の教授の研究業績をみると、語学の教師ではあるかもしれないが本当に英文学者かと首を傾げたくなるほどだ。唯一、MITでPh.D.を取ってきた渡邉明准教授の業績は輝いている。一般に、学位論文を書いたことのない者は専門書を書けないと思っていいし、大学院生の指導もまともにできない。大橋氏は実際に、修士論文の指導はするが博士論文の指導実績は上記の資料にはなかった。

文学部に限らないが、東大では学部で入学し、博士を東大ではなく外国で取ってくる者が 優秀と思われているが、私はその者が優秀だからそういう経歴というよりは、東大の教授がろくでもなかったから東大では勉強にならず、外国で本当の修行を経てきて優秀になったのではなかろうかと思っている。外国で学位を得てこなくても、だいたい英文学をやるのに、日本だけですますことができるのかね。そういえば、W氏も大橋氏も留学歴がない。だから、大橋氏など、英語圏の人間なら当然のことを、さも大層なことのようにブログで書いていて、こちらが驚いてしまう。そうそう、小谷野氏は博士を帰国してから東大で取ったにしろ、ちゃんとカナダに留学してるもんね。アンタは偉い!(なんだか、今日は、暴露ものの暴露ものでスマン。)