Ha! Where Are You from?
えっ、お前いったい、なにじん?
前に、両親がれっきとした(?)ユダヤ人なのに、ドイツ人だと突然言い出した友人のことを書いた。いったい誰がなにじんかわからないLAでは珍しくないのだが、今日も驚いた。この男、A君としておこう。今、私とセルフォーンで写真の撮りっこをしているこの男だ。
今まではずっと自分はアッシリア人(今のイラク人であり、シリア人ではない)であり、ユダヤ人アブラハムと同郷の人種なりと主張していた。(従って、ユダヤ人とも親類だと言外にほのめかしている。)ところが、今夜、A君とLAの北部グランデール市のアルメニア料理の Raffi's に赴いたところ、今まで聞いたこともない名前で待ち予約の名を入れた。
グランデール市はアルメニア人(世界で初めてキリスト教を国教にした民族)の町でもある。だから、Raffi's は本格的アルメニア料理の店として有名だ。どうも、彼はこのレストランに足繁く通っているらしい。どうしてと聞いたら、アルメニア系のお嫁さんを探しにここに来るらしい。おいおい、それならもう少し気の利いた格好で来いよな(写真を見てください、ねー。)
確かに、この店で彼は顔というか有名人で、ウェイターも受付の女性も旧知のように振舞っている。驚いたのは、この店で彼は Mr. ルスティジアンなのだ。流石に、正確な綴りは遠慮しておくが、「アン」が付いたらアルメニア人というほど、ほとんどのアルメニア人の苗字には「アン」が付く。
何だ何だ、お前、その名前は?A君、平然と、「僕のアルメニア名さ、お母ちゃんの結婚前の姓だよ」とのたまわく。「1/4がアルメニア人、3/4がアッシリア人。もっとも、その内の一人の祖父がイラン人とアッシリア人のハーフだから1/8はイラン人かな」、だと。
うーむ、そういえば、このRaffi's はアルメニア料理といってもイラン料理とのコラボレーション。A君の祖先たちの血が誘うのか。見れば、ここに来る女性はなぜか年配になっても太った人は少なく、人種的特徴が出ている。A君は食べながらあちこちを見回して、私の話など聞いちゃいない。
それでもこの店は、大きな壁にカスピ海なのか黒海なのか大きな海の絵が書かれていて、気分がゆったりする。夏だというのに夕刻からは寒いくらいの屋外でとる夕食は格別だった。お客さんの多くは、白人でもアングロサクソンではなく、やはり中近東か地中海の雰囲気である。巨大なシシカバブは結局食べ切れなくて、ドッギーバッグに入れてもらって持ち帰った。とにかく、いい店には違いない。 また来よう。