Dr. Waterman's Desk

An old desk of an American theologian ("日本語" speaker) / Check out another blog please "Comments by Dr Marks"

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American citizen but a foreign native born in southern Germany, raised in northern Japan. He holds a Ph.D. degree in biblical theology (Center for Advanced Theological Studies, Fuller Theological Seminary). Dr. Waterman mainly lives in Los Angeles, California. He studied various subjects (philosophy, sociology, etc.) and languages in Japan and in America (Hirosaki University, University of Tokyo, Fuller Theological Seminary, and other institutions). Email: markwaterman(at)fuller(dot)edu. Some call him "Dr. Marks".

Friday, August 10, 2007

Japanese Fools and Folly


日本の道化と馬鹿さ加減

おおーっと、今日のエントリーは日本の悪口ではない。だいたい、余所の国の悪口を言ったり政治的不満を述べていればインテリだと思っている日本の知識人的「知性」には欠けるからそんなことができるはずはない。日本の政治がどうであろうと日本の学界がどうであろうと、直接関係がない限り私にはどうでもよいことであり、どうぞご勝手にということで、今まで余計なことは言わないようにしてきた。

ただし、今まで日本のブログを訪問しての(特に悪い)感想は、二ないし三度くらいは表明してきたかもしれない。今回は、あまりにも極端な例に遭遇したので、一つそのことについてだけ述べて終りにする。なにしろ、しなければならない仕事をしないでだらけているので、自己の内なる声にいつも「働け働け」と叱られている。簡単に済まそう。

と、思っていたら、 讀賣新聞で奇妙な記事 を見てしまったので、そのことを先に述べる。次のような書き出しだ。

 全国の医療機関で患者の医療費滞納が問題化する中、独立行政法人「国立病院機構」が経営する全国146の病院でも、患者が支払わない治療費(未収金)の残高が今年1月末で約46億4000万円に上っていることがわかった。
 滞納理由の9割以上が「生活困窮」といい、同機構では「経済格差拡大の影響が大きい」と分析しているが、「払えるのに払わない人もいる」とも指摘している。
 昨年度は約9億円が時効で回収不能になるなど病院経営の圧迫要因となっているため、同機構では、訴訟を起こすなどして回収に努めているが、思うような効果は上がっていない。


冗談を言っちゃいけない。道化か馬鹿者じゃあるまいし。 たったの46億そこそこじゃないか。貧乏人には只にしてやれ。ロハだロハ!そりゃー払えるのに払わない奴もいるだろう。しかし、大方が困窮者なら、訴訟だとか督促するなどの余計な人件費を使わずに、「只でいいよ」と温かく言ってやれ!!

おっとっと、興奮しちゃいけない。アメリカは国民皆保険(健康保険)でなくてどうのとわかったようなことを日本のブログは言っているが、国民皆保険でも貧乏人はこのように苛められている。実際に督促されなくても、こんな記事を書かれたら、日本人のメンタリティーなら肩身が狭いと思って恥ずかしく、二度と病院に行けなくなるのではないか。少なくともこのカリフォルニアでは、貧乏なら保険がなくても只で医療は受けられるのに。

未納金を病院の数で割ってみてほしい。1病院当たりたったの3000万円ではないか。(しかも、これは医療報酬請求額という泥棒の額であり、純粋な費用はずっと少ないはず。)人件費か何かに無駄はないか。経費に無駄はないか。その程度で賄える金額ではないか。経済大国日本が、「経営を圧迫する」など聞いて呆れる。

昔は日本にも赤ひげ先生は一杯いて、「ヒポクラテスの誓い」に「医は仁術」を墨守して、貧乏人から金など取らなかったから貧乏人でも医者にかかれたのに、個人医がいなくなったら赤ひげ先生もいなくなってしまった。せめて、国立病院くらい、只で診てやってはくれないか。お願いだ。こんなことでは、貧乏人でも医者にかかり、医者という職業に感動した野口英世はもう出ないぞ。

やっと、本論に入る。近頃、やたらと馬鹿をテーマにブログを書いている御仁がいる。三日連続だ。この人は感心にも実名で書いているが、コメントあるいは反論は受け付けず、また私信の連絡先も設けていない。名指しで人を非難することも度々のブログであるのに、一方的な言い分だけである。要するに、そんなときは、毒の垂れ流しとなっているだけだ。

もったいぶらずに、ブロッガーの名前とブログのタイトルを言おう。小谷野敦という人の『猫を償うに猫をもってせよ』である。 もしまだならクリックしてみたまえ。(あれっ、結局、宣伝してるのかな。)8月8日、9日、10日と三日連続でバカがテーマだが、まだまだ続くかもしれない。

さて、皆さん、小谷野氏のブログはいかがでしたか。読んでみましたか。んっ、馬鹿や道化が恥ずかしくなる内容だって?ぶるぶるぶる、そんなことを言っちゃいけません。また馬鹿の種にされますよ。この人、日本語版だけだけどWikiにも項目となっている有名人らしい。著作多数だが、目録で私の興味を引くものはゼロ。ただし、ブログを読んでなるほどということも多く、私は野次馬根性もあるからだが、一応ブックマークをしているブログである。待てよ、本論に入ると言ったのに、もう終りだ。書くことがない。

最後におまけ。タイトルの道化の絵を借りてきたサイトを紹介する。絵の説明も読んでおいてね。

7 Comments:

Blogger SHIRO said...

アメリカの医療費は高いと訊きます。私はHIVの治療でかなりの高額医療費を払うはずですが、制度によって負担を軽減してもらっています。お馬鹿なふるまいを出来るのは頭が良い証拠だと思っていますが、違うのでしょうかね。私はタバコ呑みなので、そこいら辺はちょっと共感ですが。

6:08 PM  
Blogger Mark Waterman said...

Linus さん

コメントありがとうございます。

アメリカの医療費ですが、高い人(払える人のこと)には高いし、金持ちは無限なほどの受けられる医療の選択肢があります。もっとも、寿命・天命だけはどうにもなりませんが。

ところが無一文のものでも診察を受け治療を受けられるシステムがいくらでも備わっているのもアメリカです。そういうところに保険を持っていたり資産を持つ者が行けば当然後で請求されますが、何もなければ払わなくていいのです。

不法移民の女性が臨月で担ぎ込まれて無一文なら、只で病院で出産、赤ん坊は自動的にアメリカ人になるし、すぐにフードスタンプが支給されて子は市民として育つ。Street people だって、頭が変で働けないとかなんとか言えば、SSIから月々生活費を支給される。(ただし、これはアメリカ国籍保有者に限る。さもなければ、出身国へ送還される。)

何時まで続くかわかりませんが、今のところ本当の赤貧乏でも暮らせるのがアメリカです。私は貧乏でも「赤」は付きませんので月350ドルほどの健康保険に加入しています。お陰でほとんどは怪我も病気もそれで賄えます。持病のために飲んでいる薬がありますが、100日分10ドルです。実は、どんな薬も10ドルの copayment(自己負担金)で手に入れています。

小谷野先生のことですが、私には頭がいいのか悪いのかよくわかりません。人の頭の良し悪しには興味もありません。ただ、面白いことは面白いが(だから宣伝しちゃいました)余り品のよい方ではない(私こそそうですが)と思っています。人によって、そういうことは皆見方が違うので、エントリーにはなるべく私自身のコメントは入れなかったのですが、まだお若い方という印象を受ける先生ですね。

タバコはあくまでも個人の嗜好。勝手にどうぞ。私が尊敬するU牧師もタバコを吸っています。止めるつもりは更々なし。(だから尊敬しているのかな。)

ただ、これも、人には迷惑をかけないようにして吸うかどうかが問題です。迷惑をかけて平気な人を、私は「品がない」とか「お若い方」と呼んでいます。

MWW

7:12 PM  
Blogger SHIRO said...

アメリカという国の懐の深さが好きです。何か私ももう一度アメリカで暮らしたくなっちゃいます。私も人の頭の良さとかには興味がありません。薬物依存で通っていたアノニマスミーティングの最後で必ず言う台詞があります。「神さま、私にお与えください。変えられる所は変えて行く勇気を。変えられないものを受け入れる落ち着きを。そして二つのものを見極める賢さを」良い言葉ですね。「賢く」はありたいなあと思いますです。。

8:44 PM  
Blogger Mark Waterman said...

Linus さん

凄い!それはまるでお祈りではないですか。

内田先生のところでもコメントしましたが、人の基本的な能力に差があるなどととても思えません。部分的な差は確かにあります。例えば私は、高所恐怖と速度恐怖のほかに、片目の視力がほとんどなく、残りの目もド近眼ですからパイロットにはなれません。

また、こんなことも経験しました。私は料理が好きで、我が家の料理の半分は自分でします。しかし、プロにはかなわないことも知っています。というか、知らされました。昔、アルバイトでコックの手伝いをしました。働き人には賄い食が出されるわけですが、それは我々下働きが作ります。ある時、本職コックが「今日は僕が作ってあげるよ」といって作りました。ガツーン!同じ材料なのに味が違う。作るのも早い。盛り付けが美しい。

年季の腕ももちろんあるが、才能ってあるかもしれない。その時の彼って、その時の僕らと同い年くらいだったのだから、そう思いました。それで、一流のコックにはなれないことを見極めて辞めちゃった。でも、その後ですが、あれは見極めが早すぎたと後悔しています。ひょっとしたら今頃大金持ちのコック兼経営者だったのに。

だから、正しい見極めのためにも、私も賢さだけは求め続けようとしています。努力を重ねて年を経ないと、なかなか賢くはなれそうにないのが悩みではありますが。

MWW

10:56 PM  
Anonymous Anonymous said...

楽しそうなお二人のお話に、ヨコヤリ~☆

Waterman先生も小谷野敦氏のブログを訪問されてるんですか。ビックリ!
比較文学者という肩書きをもつ小谷野氏は、いま45歳くらいで、彼のファンだった東大の院生と最近になってご結婚されたとか。こちらも二年くらいずっとブログを読んできたんですが、うーん。文学関係の研究者らしいっていうか。彼の小説まで読んでみたいとは思わないですね。
日本の文学研究って、アジアや世界のスケールで考えるとか、認識論の方向で文学を理解するとか、なにかひろい枠を設定しないとインパクトは少ないみたいって感じています。文学の境界とか限界をそのまま抱えこんではダメじゃないでしょうか。研究なら、次数をイッコ上げてほしいのです。

Waerman先生がおっしゃるように、このところ他人をバカにする記事がつづいていましたね。8月8日付けの『タクシー協会』には、つい笑ってしまいました。
「このおじさん、大学はどこだとか、大学で頭のよしあしを決めるんだとかはっきり言うのを聞いたのは初めてだったのだろうと思うと、おかしい」と鼻息も荒くいいきっているところなど、ほんとに自分の1m範囲しか世間を知らない人なんだなって。
こっちの経験じゃ、どんな社会層のどんな職業分野にも、すごいと感激させる頭がいい人って、一人はいるものですよ。そうした人を見つけるのが楽しみだったりします。
そして大抵、大学は出ていませんから、同時にそれなりの限界も抱えこんでいます。ものすごく知能指数が高そうなのに、視力のおよぶ範囲がせまっ苦しいんです。この状況は小谷野敦氏の印象とそっくり。ほんとに大学くらい出ているんでしょうか(笑)。

4:24 PM  
Blogger Mark Waterman said...

わどさん

返事のほうが遅れてすみません。今まで手が離せませんでした。

日本のブログに行き始めたのがほぼ1年前ですから、徐々に日本の状況がわかってきたまでで、小谷野氏のブログも近頃のことです。(10年以上日本を離れていることと、日本語の新刊に触れる機会が少ないため、本当に日本の文化的事情がよくわかりません。)

小谷野氏は今のところは大橋洋一(同姓同名あり、東大教授のほう)氏とお互いにブログでからかい合っているようですが、こちらは世間様への害はなくて、お互いに楽しんでいる節もあり、勝手にどうぞと言いたい。

しかし、小谷野氏が阪大を辞めた経緯を小谷野氏のブログで読めば、何ともまあ酷いもので、大学の先生家業の人間は本当に知能指数が高いのかと疑ってしまいます。書いてあることが本当ならば、大学は人間性を失った者どもの住処ということになります。しかし、多分、本当なのでしょう。私も少しは日本の大学教授の生態を知っていますから。

私のブログに書いたコロンビア大学でのスミス教授とヌースナー博士のような例はアメリカでもあります。しかし、もしW氏のように人前で他人を恫喝したら即刻首です。そうしない日本がおかしい。これも小谷野氏の証言どおりならであって、W氏の行動の真偽のほどはわかりません。

そんなわけで、小谷野氏には気の毒な過去があります。その点はかわいそうです。また、小谷野氏だけでなく、念のために彼らの履歴を見てみたのですが、大橋氏、W氏にも共通してかわいそうな過去があります。(そういうことがよくわかる、履歴書のちょっとした見方というものがあります。)

話題に登場した3人は、決して順風満帆の学者としてのスタートを切ってはいません。(大橋氏は比較的順調と言ってもいいですが、何せちょっと小谷野氏風に悪口を言えば、東大の英語英文学の教授の半数は「学者」などではありません。)本当のエリートや、代々の学者の血縁でもなければ、大学院生活も奨学金が続いているうちはいいが、そのうち生活にも困窮するから、やむなく教員ポストの取り合い、更には苛め合いとなって、心が荒んできます。要するに心の病、精神病に罹ってきますから、言動もおかしくなります。

私は学界と娑婆との両方にいたし、今もそうですが、どこにもフルタイムで勤めるつもりはありません。それでも何とか暮らしていけるというか、幸いな立場にあるので、自由にやっています。実は私こそ、そんな環境にあったら気が狂ってしまいますし、実際に喧嘩したことがあります。人の生涯は限られているのに、嫌なことまでして暮らしたくないと思ったものです。

まさに、わどさんがおっしゃるように、そういうときは1メートル四方しか見えなくなり、小谷野氏の告白ではないですが、ちょっとしたことで夜も眠れなくなるものなのです。人を馬鹿馬鹿と言い続けるのも、その苦悩の後遺症でしょうか。意外と、というか案の定なのですが、彼らはコンプレックスの塊でかわいそうな人たちかもしれません。

その点は、私はときどきからかってはいますが、内田先生は大人ですね。自分の挫折の経験を挫折として受け止めることのできる人です。順風満帆でなかった過去や、自分の置かれた状況を冷静に分析したり受け止めることができないと、コンプレックスの塊となって毒を吐きます。

もっとも、挫折を挫折と受け止めること自体がとても難しいものです。しかし、それを受け入れられるちょっとしたきっかけがあると、思いがけない飛躍が待っているような気がします。

12:08 AM  
Anonymous Anonymous said...

>それを受け入れられるちょっとしたきっかけがあると、思いがけない飛躍が・・・

これを「鉄人」のお一人からいただいたアドバイスと思って、日本で暮らしていきます。
Thank you,Dr.Waterman!!

4:01 AM  

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