Drivers' Ten Commandments from Vatican
ヴァチカンからの運転者向け十戒
昨日(19日火曜日)法王庁が、ますます運転が粗暴になっている運転者向けに十の戒めを発表した。身につまされれば真面目な話なのだが、お堅い法王庁としてはちょっとユーモアもあるので即刻アメリカの3大ネットワークが紹介していた。日本では話題になっていないようなので速報として。
1)汝殺すなかれ。(ここには自分も死ぬなよという意味が含まれている。MWW注)
2)道路は汝にとって人々との親しき交わりの手段であって致命的な害を及ぼす手段であってはならぬ。
3)礼儀正しきこと、公正であること、慎重であることこそ、不慮の事態において汝を救う。
4)汝を必要とする隣人、殊に事故の被害者に対しては慈悲深く救いの手を伸べよ。
5)車は汝の権力や横暴の表現手段ではないし罪を犯す契機としてはならぬ。
6)若者にもまた運転するほど若くない人(つまりお年寄りね、MWW注)にも、運転にふさわしい時期ではないことを心優しく納得させよ。
7)事故の犠牲者の家族を支えてあげよ。
8)適当な時期が至ったら加害者の運転者と被害者を一堂に会することにより、許しと互いの心のわだかまりの解放の機会とせよ。
9)道路上では自分より弱い立場にある者を守ってあげよ。
10)他の人々への責任をいつも自覚せよ。
なお、テレビの一般ドライヴァーへのインタヴューでは、「電話しながらの運転を止めさせろ」というのを11番目に付け足せという意見が多かった。個人的に秀逸と思われるのは5条と6条だ。もちろん大原則は第1条であろう。この1条だけがオリジナルの十戒にある。ただし、オリジナルでは第6条に位置する。オリジナルは、旧約聖書の出エジプト記第20章と申命記の第5章を参照いただきたい。(やっぱり俺って、結局、聖書の宣伝するんだなぁ。)
5 Comments:
この記事は何回も拝読しました。が、読むたびに面白いのでコメントいたします。
「十戒」ってモーゼの十戒のことですよね? エジプト軍に追われたユダヤ人たちが、行く手を大海にはばまれる。あわやのときモーゼが十戒を垂れ、ユダヤの民たちは遵守を誓う。ならばとモーゼは神に祈る。と、海は大音響とともに真っ二つに割れ、海底に逃走経路が示される。民はわたる。その後を軍隊がチェイスすると、にわかに海原は閉じられ、恐怖のエジプト軍は海中に没した。
ものすごく間違っているような気が・・・。
とにかく、壮大な神話的世界に生きた神々しい者たちと、下品で粗暴な現代のドライバーたち(おれ)のミスマッチ?が微笑みを誘いました。交通状況という困難の大海が、真っ二つに割れてほしいものです。また「汝、殺すなかれ」からはじまるので、日々暮らす状況にいまさらながら驚愕しますが、同時にその驚愕は、平和なバチカン宮殿の書斎から外出された法王がお感じになられた驚愕だったのではないか、と想像をかきたてられます。ゆったり進む法王の車を、けたたましく騒音を響かせた無法ライダーがすり抜けていったのではないか、など。以下略――。
※このコメント、届けばいいのですが。前回は失敗しました。『Secret Gospel of Mark』にたいして、日本の一部では「封印された・・・」などのタイトルのつけ方が流行ってますって書いたのですが。「封印」されるものじゃないみたいですね。
わどさん
コメントありがとうございます。このニューズはアメリカ中で有名なのですが、日本では報道されなかったのでしょうか。日本語ニューズでヒットしませんでした。
やはり「封印されたマルコ伝」というのはないと思います。実は、英語で secret とスミス教授が訳したギリシア語の言語は mystikos すなわち英語の mystical のことで、むしろミステリー小説のミステリーですね。わどさんはミステリーは書かないようですが。
MWW
このあいだ、『ロング・グッドバイ』(レイモンド・チャンドラー著/村上春樹訳)を読みました。私立探偵フィリップ・マーロウがかっこよかったなあ。いろんな趣味もいいし。ミステリーって、こういうのですか?
ジェイムズ・エルロイの作品といい、アメリカ文学にはかっこいい伝統があるみたいですね。この感じは、日本にもヨーロッパにもありません。ハリウッドの派手な映画にも、どこか共通するものがあるような気がします。
わどさん
ミステリーというわけではないのですが、今晩仕事から戻り、コンピュータにアクセスする前に夕食を食べながら何気なくテレビを見ていたら、NYの黒人の救急隊員が失踪するという物語でした。
元ギャングだったらしいこの隊員は心を入れ替えて救急隊員になると同時に14歳の子どものビッグブラザーとしてNYのハーレムで人助けをしていたのです。今では優秀な救急隊員である彼を警察も救急隊も必死に探すのですが、結局殺されます。
14歳の子どもがまたハーレムに一人残されますが、殺された隊員の捜索に一生懸命だったFBIの一人の若者が14歳の子に自分を何かの時には頼りなさいと申し出ます。新しいビッグブラザーの誕生です。
さて、この物語の間に、一人の中年の男も必死になって、この結局は殺された隊員の捜索に励みます。中年の男ながら、新しい恋人もできたのに、恋人そっち抜けで捜すのです。
見ていた私は、初めこの中年男の意味がわかりませんでした。最後にわかりました。この中年男は、失踪して殺された救急隊員のビッグブラザーだったのです。彼は、救急隊員の遺骨を墓地に埋葬します。すると一時は恋愛も諦めて隊員を捜していた彼をよく理解していた恋人が、花束を持って中年男に歩み寄り、なぐさめる。
最後のこの中年男の恋人の言葉はこうでした。「この子の具合はどう?」中年男は「この子はご満悦だったと思うよ」。そうです。救急隊員は14歳の子をギャングから守るために死んだのです。本望の死でした。彼は死にましたが、父にも相当するビッグブラザーも彼の死を立派な死だと思っています。また、彼には最後にビッグシスター(中年男の恋人)ができたことにもなりますね。
何ゆえ、何処に失踪したのか、見ている私はわからず、一種のミステリー仕立てでした。テレビから目を離すことができないハラハラ続きのストーリーでした。しかし、しっとりとした後味のいいラストシーンでした。途中からなので、題がわからなかったのが残念です。あぁ、映画っていいですねー、わどさん。
MWW
うーーん、いい映画だなあ!! Waterman先生の語り口も優れものですけど。失踪した黒人の救急隊員もかっこいいし、隊員を必死に探す中年の男性もなんだかかっこいいです。また、その男性を墓地でなぐさめる恋人も、仕草がなかなかの美人。
そうなんだぞ、アメリカ映画ってコレですよね。戦争つづきのアメリカだ、長いあいだ人種差別をしてきた国だと悪口をいう日本人も多いんですが。アメリカ人の本質的って、こうなんですよね。と思いたい。
スケールでかくて、あったかくて、タフで人情にもろくて・・・。そんな小説、書いてみたいです。コセついた日本のせまさに、日々呑みこまれていくんですが。もう、ほんとに。クソ!!
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