Why Don't You Say, "Merry Christmas!"?
「メリークリスマス!」と言えばいいではないか。
暦は、日本、アジア、中東、ヨーロッパ、米東海岸、等々と巡りめぐって米西海岸に到る(ハワイはその後だが)。西海岸に住む私は、日本と比べれば1日遅れなので、ぐずぐずしていると自分の宗教のお祝いである「メリークリスマス!」(キリストの降誕おめでとう!)をブロッグで言いそびれてしまう。
クリスマス前のアメリカは、さながら日本の年末だ。何もかも(宗教・習慣を問わず)クリスマスに向かって動き、hectic な毎日が過ぎる。カードを書いたり、溜まった仕事を片付けたり、部屋を掃除したり、買い物などで忙しい。おまけに仲間内や職場でのパーティーが連日続く。本当のクリスマスイヴとクリスマスデーは身内で過ごすからだ。私も疲れてのどの具合がおかしい。風邪かな。
今日のエントリーは、珍しくも、アメリカ人あるいはアメリカの進歩的(?)クリスチャンの風潮に文句をつけるものとなった。Politically correct の度が過ぎるアメリカの風潮である。(逆に、日本ではないような気がする。有ったら教えてください。)つまり、素直に Merry Christmas と言わずに、Happy Holidays とか Season's Greetings などと言い換えてしまう風潮である。共和党のブッシュ大統領から共和党員に来るクリスマスカードにも、クリスマスという文字はない。ブッシュ大統領はクリスチャンなのにである。
先日は、シアトル空港のクリスマスツリーにユダヤ教文化のハナカーの飾りつけもしてくれとラバイ(ラビ=ユダヤ教の宗教教師)がねじ込んで物議をかもした。空港当局者が、それならもう二度とツリーなど飾らないと宣言したので、件のラバイが驚き譲歩して、今は目出度く(?)ツリーは飾られているそうだ。クリスマスの祝いをクリスチャン以外に押し付けるべきではない。しかし、クリスチャンがキリストの誕生を祝って(12月25日に生まれたという史実はないが)何が悪いのか。他人が身内の誕生日を祝っていると、俺の誕生日でもないのに Happy Birthday! と言うなと他人に文句を付けるのに等しい反社会的な事象ではなかろうか。
もちろん、クリスマスとハナカーはそれぞれ日にちが近いのでユダヤ教徒側からの物言いが理解できないわけではないが、そこまで文句をつける必要はなかろう。私のブロッグでしているように Happy Chanukah! と祝ってあげてから、堂々と Merry Christmas! と祝えばいいのだ。私の知っているユダヤ人達の中には、ハナカーの飾り付け(どういうものかは前のエントリーに書いたが、一つ忘れたのは、あのドーナツのお化けベーゲルも飾る人が多い)が終わるとクリスマスの飾り付けをする剛の者もいるくらいだ(単なる節操なしかもしれないが)。
そう言えば、その内日本でも流行りだしたら困ると思っていることがある。文科省の検定済み教科書にはまだ登場していないらしいが、B.C.E. (BCE) とC.E. (CE) という年代表記だ。前者は Before Common Era の略、後者は Common Era の略である。そして、実際のところ前者は B.C. (BC) すなわち Before Christ のことだし、後者は A.D. (AD) すなわち Anno Domini と寸分たがわない。ただ、キリストが気にくわないのである。ユダヤ教学者のほとんど、それに彼らと共同作業する原始キリスト教学者の多くが使っているが、私は使わない。(ところで、紀元1年がキリスト生誕の年というのは、クリスチャン・非クリスチャンを問わず、現在の学者のほとんどが否定する。今のところ、紀元前6-4年の間というのが有力だ。この生誕年の詳しい議論はその内するかもしれない。)
皆々様に Merry Christmas!
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